トップ株 入門チャートに強くなろう第6回 テクニカル編 1 「移動平均線」の使い方
第6回 テクニカル編 1 「移動平均線」の使い方
みなさんがよく見ている株価チャートには、日々の株価を表した「ローソク足」や「出来高」の棒グラフのほかに、折れ線が引かれていることと思います。この折れ線は「移動平均線」と呼ばれ、売買のタイミングを計る指標として大変よく使われているものです。
売買のきっかけを見つけるのに最適な「移動平均線」
勝っている投資家のほとんどは株価チャートを使っています。チャートは「どこで買えばいいのか」「どこで売ればいいのか」といったタイミングを計るのに大変便利な道具だからです。そして勝っている投資家は、日々の株価を示したローソク足や出来高の棒グラフ以外にもさまざまな指標をチャート上に表示して株式投資の売買タイミングを計っています。
こうした指標の中で一番よく利用されているものが「移動平均線」で、「チャートを見る時に、まず移動平均線をチェックする」という人も少なくありません。多くの投資家にとって「移動平均線」は大変ポピュラーな指標であり、また利用価値が高いものです。
では、そもそも「移動平均線」とはいったい何なのでしょうか?
簡単に言うと、「移動平均線」は一定期間の株価の終値の平均値を繋ぎ合わせた折れ線グラフです。
移動平均線は、日足(ひあし)のものだけでなく週足(しゅうあし)のものもあり、この移動平均線の期間はさまざまにとることができます。一般的に広く用いられている移動平均線の期間は、日足であれば5日、25日、75日のもの、週足では13週、26週、52週のものです。短い期間の移動平均線は短期的な相場の流れを見る場合に利用され、長い期間の移動平均線は長期的な相場の流れを見る場合に利用されます。移動平均線が右肩上がりになっていれば、相場の流れは上昇基調と見て、移動平均線が右肩下がりであれば相場の流れは下落基調と見るわけです。
この「移動平均線」は株価の流れを見るほかにも、株価が上昇した時の「上げ止まるライン」、株価が下落した時の「下げ止まるライン」(「抵抗ライン」)として使われることがあります。「移動平均線」がなぜ「抵抗ライン」として使われるのでしょうか。それは、機関投資家や証券会社のディーラーというプロやセミプロと言われる投資家が「移動平均線」を基準として頻繁に売買しているために、「移動平均線」で株価の上昇が止まって反転下落したり、株価の下落が止まって反転上昇したりするからです。
このため的中率が比較的高く、しかも投資チャンスが多く現れることから、チャートを見るほとんどの投資家が利用しているわけです。
それでは実際に「移動平均線」で株価の上昇や下落が止まることを確認してみましょう。
株価が上昇する時には、多くの場合「上昇の後に調整のために下落」という動きを繰り返しながら上昇していきます。その調整のための下落が止まる目安となるのが「移動平均線」です。
これを使い、移動平均線まで下落したら買い、止まって反転上昇したら売って利益を確定し、再び移動平均線まで下落したら買うという投資を繰り返している投資家が多く存在しています。これは下落相場でも同じで、「移動平均線」は一番簡単で一番よく使われるチャート指標です。
「移動平均線」を使う時に知っておくべき欠点とは何か
相場の流れや売買のタイミングを見つけるには最適な「移動平均線」ですが、欠点もあります。
移動平均線から大きく離れてしまうとまったく指標としての役割を果たせなくなるということです。つまり、「移動平均線」は株価が急騰したり急落したりせずに「なだらかに上昇し続ける」あるいは「なだらかに下落し続ける」という相場でもっとも威力を発揮します。
「移動平均線」と「テクニカル分析」
ここで「移動平均線」を含めたチャートの「テクニカル分析」について説明しましょう。「テクニカル分析」とは「盲信的にこの指標を使う」と決めておこなうものではなく「今の相場環境に適している指標は何であるかを探すこと」です。株式投資の目的は利益を得ることなので「利益を得られるテクニカル指標を見つける」ことが「テクニカル分析」の基本です。
移動平均線」が抵抗ラインとしてよく機能している場合は13週の「移動平均線」を使います。しかし、13週の「移動平均線」が抵抗ラインとしてあまり機能していない場合は別の期間の「移動平均線」でチェックしてみましょう。それでもあまり機能していない場合は「移動平均線」ではなく別の指標ではどうなっているのかをチェックしてみます。このようにやってもやはり「この銘柄のこのタイミングは買いタイミングだ」と確信できないような場合には、その銘柄はあきらめて違う銘柄について目を向けてみましょう。
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