わかる株式用語
金融相場とは(きんゆうそうば)
まずはざっくり
上昇相場は「金融相場」と「業績相場」の2つにざっくり分けることができます。
「業績相場」では、景気は良く、企業の業績も好調で、素直に業績の裏づけのある企業が買われます。
一方で「金融相場」では、景気が悪くて、企業の業績が低迷しているにも関わらず株価は上昇します。
「株式市場は景気を反映する」というのに、不景気でも株式市場が上がるわけです。なぜかというと・・・
ポイントは、不景気のときの景気対策による金融緩和です。
中央銀行などは金融緩和などによって市場にお金を放出して、カネ余りの状態を作って景気を良くしようとします。
放出されたお金の一部は株式市場に流れ込んで、それまで下がっていた株価は上昇し始めます。そうすると、景気はまだ悪いのに株価は上がることになります。
なので「金融相場」は「不景気の株高」とも言われます。
また、お金がたくさんあるので「過剰流動性相場」と呼ばれることもあります。
これだけは覚えよう!
ウォール街に「強気相場は悲観のなかに生まれ、懐疑のなかで育ち、楽観のなかで成熟し、幸福感のなかで消えてゆく」と、投資家の心理の変化をとーってもよくあらわした相場の格言があります。
まだ景気回復の実感もなく、企業の業績見通しも暗く、「不景気の株高」に対して疑問を持つ投資家がたくさんいますので、まさに「懐疑のなかで育つ」のです。
「金融相場」では、景気の実感に目を奪われて、株価の上昇に懐疑的になりますので、株価は下がると見込んで信用取引での空売りなどが急増することがあります。しかし、株価はその後も上昇すると空売りの買い戻しが入り、さらに上昇の起爆剤となって「金融相場」の上昇をさらに大きくすることがあるんです!
「金融相場」では、銀行株や鉄鋼株のようにいつもは値動きの重い低位の大型株が人気を集めたりします。逆に業績の良い銘柄が割安に放置されてしまうことがあります。
またまた「金融相場」の別名、業績を無視して需給面だけで銘柄が買われる傾向が強いので「需給相場」とも呼ばれます。
ここで、おさらいします!
「金融相場」の別の言い方がたくさんでてきましたね!
「不景気の株高」、「過剰流動性相場」、「需給相場」、どれも「金融相場」の特徴をよーくあらわしています。
もうひと頑張り!
過去の金融相場はいつあったの?
過去の日本の株式市場においては、2003年5月からの株価の底入れが一番最近の金融相場です。
2003年はりそな銀行に公的資金が注入されるなど暗〜い相場の環境でしたが、日本銀行が量的緩和でお金をジャブジャブの状態にしました。
そして、過去の金融相場はどのような動きをしたのか分かれば、もし今の相場が「金融相場」であるなら、これからはどのように動くかを前もって予想することができますね!
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