トップ株式投資で知っておいた方が良いこと株式投資で知っておいた方が良いこと「第20回 実際に売買した銘柄で『バリューライン』を検証する(後編)」

株式投資で知っておいた方が良いこと

第20回 実際に売買した銘柄で『バリューライン』を検証する(後編)

≫レポート目次を見る

前回は、『バリューライン』を使った割安タイミングの判断方法について解説しましたが途中で終わりましたので、引き続き私が実際に売買した銘柄のチャートを使って詳しく解説したいと思います。

『バリューライン』の実践的な活用法について

A:誰にも分からない将来のシナリオを作るときに活用にする
B:負けないために「アンダーバリューゾーン」のときだけ買う=「オーバーバリューゾーン」では買わない、というルールを作っている
C:自分が許容できる「リスクの度合い」で、判断する『バリューライン』を決める
D: 『波動ライン』と一緒にチェックして、株価の転換点を予測する
E: さまざまな抵抗ラインと一緒にチェックして、株価の転換点を予測する
F: ラインが割れたり抜けた場合は、トレンドが「転換した可能性」を意識する
G: バリューラインの角度でトレンドの強弱を判断する

≪B:負けないために「アンダーバリューゾーン」のときだけ買う
=「オーバーバリューゾーン」では買わない、というルールを作っている≫

『バリューライン』とは、投資家が相場の動きや株価を見て「思ったり感じたり考えたりする投資家心理の変化点や均衡点をライン化したもの」です。そして投資家心理の変化点や均衡点が分かることによって、実戦で活かせることは何かと言いますと「割安なとき=アンダーバリューゾーン」を知ることによって"勝つ確率が高いときだけ投資する"ことができるようになることです。

ということは、反対に「割高なとき=オーバーバリューゾーン」を知って売りタイミングを判断する一つの材料にもなるということです。もちろん、買いも売りも『バリューライン』だけで判断することは100%ありませんが、できるだけ『バリューライン』に焦点を当てて解説したいと思います。

■ケーススタディ(2):JFEシステムズ

この銘柄は、ケンミレが独自のルールで割安な状態になっていると認定した「割安市場」の中から、さらに「割安な個別銘柄」を抽出する『割安銘柄探しソフト』で選んだ銘柄ですが、実際に買う直前の株価の動きは以下のようになっていました。

買ったときの株価チャートと『バリューライン』

前回の東建コーポレーションが「緩やかな上昇トレンドの中のアンダーバリューライン」を買いタイミングと判断したことと比べて大きく異なる点は、このJFEシステムズは「下落トレンドで、しかもフェアバリューライン近辺で買っている」、ということです。

そしてこのチャートを見ますと、どうして前回の東建コーポレーションのように「アンダーバリューライン近辺まで買いを待たなかったのか?」、もしくは「どうしてアンダーバリューゾーンの抵抗ライン近辺まで待たなかったのか?」と疑問に感じるのではないと思いますが、これには理由があります。

売ったときの株価チャートと『バリューライン』 (a)

当時は東証1部の主力大型株が物色の中心でしたので、東証2部のこの銘柄は株価が歴史的な大底圏に放置されたような状態でも、あまり注目されることがありませんでした。したがって、できるだけ安く買おうと欲を出して「買えない」と悔やみ切れないと考えて、フェアバリューライン近辺でも「アンダーバリューゾーンなので買っても良い」と判断をしました。

売ったときの株価チャートと『バリューライン』 (b)

私の株式投資には「保有日数が比較的短い」という傾向がありますが、理由は買った後にさらに上がる可能性があっても「確実に売る」ことを優先するからですが、この銘柄は歴史的な大底圏で買った銘柄ですので保有日数が長くなりました。

しかし、重要なことは「それでもオーバーバリューラインまで上昇すれば機械的に売っている」ということです。

『銘柄メモ』の画面イメージ

時間的な余裕があれば、「株式市場の環境分析」や「この銘柄のファンダメンタルズ分析」を行って「もっと保有すべきかどうか」を検証したかもしれません。しかし当時はそのような余裕がまったくなかったので、「例外を作らない」という意味も込めて定石通りに「株価は上がれば下がるので売る」という判断をしました。

■ケーススタディ(3):住友軽金属

この銘柄は、大きく下がって割安になっていたり、また株式市場に対して先行や遅行の傾向がある業種やテーマの銘柄グループの中から「割安銘柄」を抽出する『ハイパー・インデックスソフト』で選んだ銘柄ですが、実際に買う直前の株価の動きは以下のようになっていました。

買ったときの株価チャートと『バリューライン』

このチャートを見ますと、割安タイミングのアンダーバリューゾーンとは正反対の「割高タイミングのオーバーバリューゾーン」と判断できます。にもかかわらず、どうして買ったのかと言いますと、“リスク度が高い小さなバリューラインでは割安”と判断したからです。

売ったときの株価チャートと『バリューライン』 (a)
売ったときの株価チャートと『バリューライン』 (a)

つまり『バリューライン』が同じチャート上で何種類も引くことができるということは、何種類も引いた『バリューライン』の中から“どのバリューラインを使って判断するか?”は自分が取れるリスク(=リスク許容度)によって決める、ということになります。

売ったときの株価チャートと『バリューライン』 (b)

実はこの点が、『バリューライン』の実践的な活用法の≪C:自分が許容できる「リスクの度合い」で判断する『バリューライン』を決める≫ということになる訳ですが、詳しくは次回に解説しますので、今回は「そういうものなんだ」程度に気付いて頂くだけでも十分と思います。

そして売りタイミングは、直前の11月〜12月にかけて「何度も株価が上げ止っている株価水準」に再び上昇しましたので売却しました。

『銘柄メモ』の画面イメージ

いかがでしたでしょうか?

このように『バリューライン』は3本のラインによってアンダーバリューゾーンとオーバーバリューゾーンに分けられますので、「アンダーバリューゾーンで買う」「オーバーバリューゾーンでは買わない」というルールを作って実践するだけでも、株式投資で負ける確率を減らすことができると思います。

株式投資で「負けを減らす」ことができれば、結果的には「勝ちが増える」ことになります。しかし最初から「勝とう」「勝ちたい」と思ってしまいますと、自分に都合の良い判断で株式投資を行うことになってしまい、最悪の場合は株式市場から退場せざるを得ないことにもなってしまいかねません。

したがって、まずは「負けない」ための武器として、この『バリューライン』を活用して頂きたいと思います。「勝つ技術を身に付ける」はその後です。

レポート担当:田中達也

株勉強 topへ
株式投資で
知っておいた方が良いこと