トップ株 入門チャートに強くなろう応用編 4 押し目・戻し目ラインの使い方

第15回 応用編 4 押し目・戻し目ラインの使い方

プロの投資家がもっともよく使う買いタイミングの指標は『移動平均線』と『押し目ライン』です。この押し目ラインの活用法について見ていきましょう。

押し目戻し目とは何か?

押し目』とは、株価が上昇していく過程で、利益確定売りなどによって一時的に株価が下落したとき「ここまで押せば(下がれば)、下げ止まるだろう」と投資家が考える水準のことです。投資家が『押し目買い』をいれるときには、「下がり始める前の上昇幅に対して下がり始めてからどのくらい下がっているか」を表す『押し目率』を見ることで判断します。

これとは逆に『戻し目』とは、株価が下落していく過程で、もう底だろうと判断した一部の投資家が買うことによって起こる一時的な反発により株価が上昇したとき「ここまで戻れば(上がれば)、上げ止まるだろう」と投資家が考える水準のことです。投資家が『戻り売り』を入れるときには、「上がり始める前の下落幅に対して上がり始めてからどのくらい上がっているか」を表す『戻し目率』を見ることで判断します。

一般的に、下げ止まる可能性が高い押し目は『1/3押し、1/2押し、2/3押し、全値押し』と『0.382押し、0.618押し』の6つです。こういったいわゆる『節目の押し目』は、機関投資家をはじめとした多くの投資家が意識しており、そこで下落が止まって反転上昇することが多くなります。

このように、いくつかある節目の押し目ですが、どの押し目で待ち伏せをすると良いのでしょうか。

投資家に人気があり、上昇を続けている銘柄の場合は、下げ止まって上昇に転じるのが早いので『1/3押し』や『0.382押し』で待ち伏せして良いでしょう。

投資家にそれほど人気があるわけではなく比較的ゆっくりと上昇している銘柄の場合は『1/2押し』まで下がってくるのを待ち伏せする方がリスクが少なくなります。さらに、よりリスクを押えたい場合や上昇の傾向がはっきりしない、あるいは横ばいの動きをしている銘柄の場合は、『2/3押し』や『0.618押し』、さらには『全値押し』まで待つのが良いことになります。

ケンミレの『押し目ライン』は、チャートを表示している期間の安値から高値までの上昇幅を計算して、節目となる押し目がどの位置になるかを表示するものです。

押し目ラインの表示は『その画面にある安値とその後の高値』から計算されますので、どの押し目を探すにしても、まずは『自分が探したい上昇相場の安値と高値を画面上に表示』するように調整します。

チャートの下部にある2つのスクロールバーの下側のスクロールバーを使って、探したい押し目の上昇相場の始まりがチャートの表示期間の中で安値になるように設定します。この押し目の取り方は押し目ラインを使いこなしていくのにひとつ重要なポイントとなります。

短期波動の押し目と中期波動の押し目

押し目には『短期波動の押し目』と短期波動がいくつか集まって形成される『中期波動の押し目』があります。このとき、短期、中期のどちらの押し目まで待ってから押し目買いをすればいいのかは、個人の投資レベルによって異なってくることになります。

投資の初級者レベルでは、『中期の押し目を待つ』と決めて、中期の押し目になるまで待ちに徹することが大切です。中期の押し目まで待って、中期波動の転換点から短期波動の押し目を最初の1回、あるいは2回目までしか買わないというのがリスクを押さえた投資となります。

これは、短期の押し目が何回あると中期波動の下落に転じるかは誰にも分からないからです。3回目の短期の押し目に見えてもそこから中期波動の下落に転じる銘柄もあれば、6回目の短期の押し目ではじめて中期波動の下落に転じる銘柄もあります。このため、短期波動の押し目の回数を重ねれば重ねるほど、短期の押し目だと思って買っても、その調整が『短期の押し目では下げ止まらない中期の押し目まで株価が下落する』ことになるリスクが高まってきます。

しかし、上級者レベルでは、仮に6回短期の押し目があったとすれば、最後の1回は失敗しても『残りの5回で儲ければ良い』と考えます。ですから全ての押し目を短期の押し目と考えて買い、最後の1回が中期の押し目まで下落すれば、その途中で損ギリをするという投資手法を採ります。

このように短期の押し目をほとんど取りにいきますので、結果、上級者になるほど負けてしまう投資が増えますが、投資回数の多さから年間の積み重ねの利益額は大きくなります。

押し目ラインを使う場合にはこのように自分の投資レベルにあった投資タイミングを把握することがうまく活用できるポイントになってきます。

【ポイント】
  • ■「押し目戻し目」から売買タイミングがわかる。
  • ■どの期間の上昇(下落)を使うかによって、押し目(戻し目)の水準は変わる。
  • ■初心者は中期波動の押し目を使う。
  • ■短期波動の押し目を使うと、最後の1回は必ず負ける。

チャートに強くなろう

第1回 基礎編 1 ローソク足の見方
チャートとは株価の動きをグラフ化したものですが、日本で使われている最もポピュラーなチャートが"ローソク足"です。
第2回 基礎編 2 ローソク足で見る相場のサイン
特に長い下ヒゲ、長い上ヒゲが出たときのチャートや、「保ち合い」(株価が上昇した後や下落した後に動かなくなること)相場時の投資家心理を解説していきます。
第3回 基礎編 3 「株価」と「出来高」の関係
株式投資をしているほとんどの人たちは利益を出していないと言われています。利益を出せない第1の理由は、恐らく株価チャートを見ないで株を買っているからでしょう。株式投資で儲けるためには、いかにチャートが大事なのかを、学んでいきましょう。
第4回 基礎編 4 ダブル底(天井)と三尊底(天井)とは?
株式のトレンド転換を判断するパターンはいくつかありますが、チャートの形から判断する時の代表的な見方である「ダブル底(天井)」と「三尊底(天井)」について解説いたします。
第5回 基礎編 5 三角保ち合いの使い方
株価の振幅が煮詰まった三角形のチャートの形から、大きく動く方向が読める保ち合いの形を学びます。
第6回 テクニカル編1 「移動平均線」の使い方
「チャートを見る時に、まず移動平均線をチェックする」という人も少なくありません。 多くの投資家にとって「移動平均線」は大変ポピュラーな指標であり、また利用価値が高いものです。
第7回 テクニカル編 2 移動平均乖離率の使い方
株価の移動平均線を使ったテクニカル分析として現在広く一般に多用されている、「移動平均乖離(かいり)率」の使い方について解説します。
第8回 テクニカル編 3 ゴールデンクロスとデッドクロスの使い方
長期と短期の2本の「移動平均線」を使って株価の上昇・下落の転換点を予測する方法についてご紹介します。
第9回 テクニカル編 4 RCIの使い方
RCIは、相場の過熱感を測り、現在の株価が割安か割高かを判断するときに使われる代表的なテクニカル指標のひとつです。 その使い方について解説いたします。
第10回 テクニカル編 5 RSIの使い方
ご存知の通り株価をチャートにすると、数年単位の長期波動、1年間に2・3回起こる中期波動、数ヶ月間に何度も上下動を繰り返す短期波動の3つに分けることができます。参考までに、「3.往来相場の形」では長期波動、「1.過去の安値・高値まで株価が上昇・下落した時」では中期波動のチャートをご確認いただけます。
第11回 テクニカル編 6 ストキャスティクスの使い方
今回は「ストキャスティクス」について解説します。「ストキャスティクス」は現在の株価が割安か割高かを判断するときに使われる代表的なテクニカル指標のひとつです。
第12回 テクニカル編 7 MACDの使い方
「MACD」は平滑移動平均(もしくは指数移動平均)を使って、分析を発展させたテクニカル指標です。「MACD」によって相場のトレンドを判断でき、同時に売りタイミングと買いタイミングを計ることが出来ます。
第13回 テクニカル編 8 一目均衡表の見方
「一目均衡表」は時間的な概念に注目して作られた指標です。 特徴としては、トレンドの方向性や転換点を株価だけではなく日柄からも探り出そうとしていることで、他のテクニカル指標ではあまり使われない「9日」や「26日」といった計算日数が使われていることです。
第14回 テクニカル編9 ボリュームレシオの使い方
ボリュームレシオは、出来高に着目して現在の株価が割安か割高かを判定するテクニカル指標の一つです。
第15回 テクニカル編 10 サイコロジカルラインの使い方
サイコロジカルラインの「サイコロジカル」とは「心理的な」という意味です。つまりこのテクニカル指標は投資家の心理を数値化し、売買のタイミングに役立てようという考えから生まれたテクニカル指標です。
第16回 テクニカル編 11 ポイントアンドフィギュアチャートの使い方
チャート表示方法としての一つでポイントアンドフィギュアというものがあります。時間を横軸に取らず値動きのみを基準としたチャートの見方とその使い方を解説します。
第17回 応用編 1 波動ラインの使い方
株価の上昇下落の傾向について一目で把握する事ができる、波動ラインをご紹介したいと思いますが、その前に「そもそも波動って何?」といったところからご説明したいと思います。
第18回 応用編 2 抵抗ラインの使い方
今回は「抵抗ライン」について説明します。「抵抗ライン」とは株価の動きが止まったポイントを結んだラインで、投資家が売買タイミングを知る上で必要なデータです。この精度を高めれば高めるほど「勝つ確率」が上昇します。
第19回 応用編 3 価格帯別出来高の使い方
「価格帯別出来高」とは、過去に売買された株数を価格帯別に集計したもので、一般的に株価チャートの右に横棒のグラフで表示されています。株価の上値が抑えられる「抵抗ライン」を見つけるのに有効なので覚えておきましょう。
第20回 応用編 4 押し目・戻し目ラインの使い方
プロの投資家がもっともよく使う買いタイミングの指標は『移動平均線』と『押し目ライン』です。この押し目ラインの活用法について見ていきましょう。

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