トップ株 入門チャートに強くなろう応用編 3 価格帯別出来高の使い方
第14回 応用編 3 価格帯別出来高の使い方
「価格帯別出来高」とは、過去に売買された株数を価格帯別に集計したもので、一般的に株価チャートの右に横棒のグラフで表示されています。株価の上値が抑えられる「抵抗ライン」を見つけるのに有効なので覚えておきましょう。
上値の抵抗ラインを見つけるのに使おう!
出来高の多い価格帯は、過去に売買が多かったことを表しています。つまり、その価格帯で買った投資家が多いということです。
出来高の多い価格帯まで株価が上昇すると、過去にその価格帯で買った投資家が、「また株価が下がって損失が拡大しないうちに売っておこう」と考え、売りが出やすい傾向があり、株価の上昇がその価格帯で止まる可能性が高くなります。そのため、出来高の多い価格帯を見つけることによって、その銘柄の上昇が止まる上値抵抗ラインを予測できるのです。
また反対に、出来高の多い価格帯が現在の株価より下に位置している場合は、その価格帯まで株価が下落したときに割安感から買いが入ることで、下値抵抗ラインとなる傾向があります。
このように、出来高が多い価格帯は心理的な抵抗ラインとなりやすく、株価の上昇や下落が止まることが多いので覚えておきましょう。
■価格帯別出来高を表示させたチャート
出来高が多い価格帯までの期待上昇率をチェックしよう!
それでは具体的にどのように使えばいいのでしょうか。
まず、出来高が多い価格帯をチェックして、自分が買おうとしている価格から、その出来高が多い価格帯までどのくらいの値幅があるのか(その価格帯まで上昇した場合、何%の上昇率となるのか)という「期待上昇率」を計算しましよう。
そして、その「期待上昇率」が自分が設定した「目標利益率」を大きく上回っていれば、その銘柄は利益が取りやすく、買ってもいい銘柄です。
上の図のチャートを見ると出来高の多い価格帯は160円です。現在の株価が120円の場合は、(160円−120円)÷120円=33%の期待上昇率があるということになります。そして自分が設定した目標利益率が15%ならば、出来高の高い価格帯までの期待上昇率が33%なので、目標利益率の15%は達成する可能性が高く、「買ってもいい銘柄」と言えます。
一般的に買おうとしている株価から出来高の多い価格帯までの期待上昇率が10%以下の場合は、見込める利益が少ないので避けたほうがいいと思います。
価格帯別出来高だけを見て、買うか、買わないかを決定するべきではありません。銘柄を選ぶ際はローソク足や移動平均線など、他の指標とも合わせてチェックして、最後に目標株価の参考として価格帯別出来高を参考にしましょう。
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