トップケンミレ読学塾チャートに強くなろう(テクニカル編・応用編)第15回 テクニカル編 10 サイコロジカルラインの使い方

第10回 テクニカル編 10 サイコロジカルラインの使い方

サイコロジカルラインの「サイコロジカル」とは「心理的な」という意味です。つまりこのテクニカル指標は投資家の心理を数値化し、売買のタイミングに役立てようという考えから生まれたテクニカル指標です。では、その使い方についてご説明いたします。

計算方法は単純。上昇と下落で投資家の心理を考える

たとえば、コインの表裏を予想するゲームで10回連続して表が出た場合、次のゲームでどちらにかけたら有利でしょうか?

この場合、確率は常に1/2ですからどちらにかけても確率的には変わりません。しかし、ゲームに参加している人の心理は、次のゲームで「もうそろそろ裏が出てもいい頃」という心理に傾く可能性が高くなると思われます。

株式市場の変動は単純な確率ではなく、投資家の心理が株価の変動に大きな影響を与えることとなります。前述のゲームでは確率的に同じですから、どちらにかけても同じと言えますが、株式市場で同じことが起こったらどうでしょうか。

連続して上昇したあと、「もうそろそろ下がるだろう」と思う投資家が多くなれば、株式市場では売りが先行したり、買いが続かなくなったりして下落する可能性が高まります。

つまり、この投資家の心理を数値化したテクニカル指標が「サイコロジカルライン」となります。

サイコロジカルラインの計算方法は非常に簡単です。上昇や下落の変動率は関係なく、『計算期間の中で上昇した日数が何%となっているか』ということで計算することとなります。

一般的に過去12営業日で計算することが多いので、これに当てはめて計算してみます。

過去の勝敗(○が上昇、×が下落)

○×○××○○○×○○○  過去12日間で上昇8日 8/12=66.7%

【上昇した場合】
[○]×○××○○○×○○○[○] 最初の○が押し出され、最後に当日の上昇が追加されます。この結果、期間内の上昇日数は変わらず、サイコロジカルの数値も変化はありません。

【下落した場合】
[○]×○××○○○×○○○[×] 最初の○が押し出され、最後に当日の下落が追加されます。期間内の上昇日数がひとつ減りますので、7/12=58.3%となります。

このように、サイコロジカルラインは『ところ天』のように過去の勝敗を押し出して計算されます。このため、連続して上昇が続き、ある程度までサイコロジカルラインが上昇すると、期間内にある下落を押し出さない限り上昇しても水準が変わりません。また、逆に下落が続いた場合も同様です。

サイコロジカルラインを実践に役立てよう

サイコロジカルラインは「もうそろそろ上がる(下がる)だろう」といった投資家の心理で売買のタイミングを計る指標です。したがって、目先的に上昇や下落が続いて、反発や反落のタイミングを計ることに有効です。

サイコロジカルラインを使う上で重要なのは、「目先的な」という点です。この指標の考え方が、「もうそろそろ上がる(下がる)だろう」という観点に基づいている為です。つまり、「上昇や下落は、永遠に続かない」ということで目先的な反発を狙おうということです。

図1

このチャートはJASDAQ市場の銘柄ですが、完全な右肩下がりのトレンドとなっています。基本的に買い対象としてはいけない銘柄と言えるのですが、このように連続して下落している銘柄でも、サイコロジカルラインが大きく下落すると一旦は反発に転じています。つまり、過去の経験則から連続して下落するにも限界があると考えられるわけです。 しかし、目先的な反発をしたあとは再び下落トレンドとなることもあります。該当銘柄のトレンドをまず把握した上で使うことが重要と言えます。

また、サイコロジカルラインでは一般的に、75%以上が『過熱ゾーン』、25%以下が『割安ゾーン』と言われています。しかし、この数字もあくまで過去の経験則に基づいたものです。

図2

このチャートは東証1部の銘柄ですが、前チャートとは違い完全な右肩上がりのトレンドとなっています。この銘柄で一般的な割安ゾーンである25%以下を参考にしていては、買いタイミングはいつまでたってもやってきません。

しかし、50%割れの水準では絶好の買いタイミングとなっています。つまり、投資家に人気の高い(上昇力の大きい)企業の株価が下落した時は、調整した後に上昇すると考える投資家が多くなると考えられますので、サイコロジカルラインの数値が高くても買いタイミングとして考えることができます。

逆に、投資家に人気の低い(上昇力の小さい)企業の場合には、投資家があまり関心を持たないためにサイコロジカルラインの数値は通常より低くないと反転ポイントになりません。

したがって、一般的な割安、割高の数値を考えながら、銘柄ごとにテクニカル指標の過去の動きをチェックして、過去の上昇、下落に転換するタイミングの数値を見つけて参考に使うべきだと言えます。

【ポイント】
  • ■サイコロジカルラインは一定期間の株価の『上昇した日数』で計算されたテクニカル指標。
  • ■企業の上昇力などで判断数値は変わるので、過去の指標の動きを参考に『銘柄にあった数値(日数)』で売買タイミングを計ろう。