トップ株 入門新ケンミレ流良いチャート・悪いチャート第14回 PERによるバリューの変化
第14回 PERによるバリューの変化
このチャートは"PERによるバリューの変化"を使って投資ができる、形の良いチャートと言えます。
PERとは、株価の水準が割高なのか、割安なのか、普通なのかを判断する指標としてよく使われる、一番簡単な指標です。この指標は株価収益率ともいい、『株価÷企業の1株利益』で求めます。つまり、その企業の株価が1株利益の何倍まで買われているかを知るための指標です。
今回は、PERの変化が株価の形成にどのように影響するかを分かりやすくするために、ある銘柄の普通の株価チャートの下にPERチャートを並べてみました。
まず、左ページの下にありますPERチャートを見ますと、2003年8月位までは、PERが10倍前後で推移していますが、その後急に6倍近くまで低下しているのがわかります。また、2004年5月や同年7月にも同じように6倍位まで急落しています。これはどういうことかといいますと、決算発表で企業業績が大幅に上方修正され、企業の1株利益が増加したことで、PERが急低下したためでした。
次に、上の株価チャートを見ますと、業績が上方修正された直後(つまり、PERが急低下した直後)に、株価が大きな出来高を伴い、急上昇しているのが分かります。
以上のことを踏まえた上で、次のような分析ができます。
このチャートは、業績予想が上方修正され、PERが6付近まで低下する度に株価が上昇を開始し、PERが10を超えてくると横ばい相場に変化する・・・。
つまり、PERの変化で株価のその後のトレンドを予想できるチャートと言えます。また、業績予想が上方修正された際、出来高が急増していますが、信用の買残(出来高の上に引かれた赤い線)には、それほど大きな変化が見られません。
これは、買っている筋が短期的な利益を取ることを目的とした投機的資金ではなく、株価の割安感を好感した、実需の買いであるということが予想できます。
このような銘柄は、将来の売り圧力が少ないため、長期的な上昇トレンドを継続する可能性が高いといえます。しかし、企業業績が悪くなった場合は、株価が急落する可能性もあります。どの銘柄の投資の際にも言えることですが、チャートだけではなく、企業業績やその業界の動向に敏感であることが重要です。
*上の株価チャートでは、「決算発表マーカー」というソフトの機能を使い、チャート上に決算発表日や業績予想の修正日を表示しています。
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