トップ株 入門新ケンミレ流良いチャート・悪いチャート第13回 指標や他の銘柄との類似性や先行性・遅効性の計算
第13回 指標や他の銘柄との類似性や先行性・遅効性の計算
「A」と「B」の2つのチャートは、"指標や他の銘柄との類似性や先行性・遅行性の計算"を使って投資ができる、形の良いチャートと言えます。
インターネットでの株取引が飛躍的に発達した今では、プロのトレーダーだけでなく一般の個人投資家も、類似する複数の銘柄を組み合わせてお互いの価格差を利用したスプレッド取引を行うようになりましたが、ここでは類似した動きをする2つの銘柄の、先行性や・遅行性を利用した投資をお話します。
左にあげた二つのチャートは一見同じ銘柄のチャートのように見えますが、業種は同じでも別々の会社です。このように、同じような動きをするが、まったく同じではないところを見つけることが、先行性・遅行性を利用したチャート分析のポイントです。
この2つの銘柄を詳しく分析すれば、より多くの遅行タイミングを見つけられると思いますが、今回は2003年の6月後半と、20 04年の5月後半の動きに注目して見てみたいと思います。
まず2003年の6月ですが、ご存知の通り日本の相場も長い低迷を脱し上昇相場が始まった時期であり、この2つも期を同じくして派手な窓空けで上昇を開始します。その後すぐに上昇は止まり、押し目のない平坦な踊り場を半月ほど続けましたが、「B」は比較的強く、6月後半になると更なる上昇を開始しました。それから遅れること1週間で、「A」も遅れを取り戻すかのように再び上昇を開始します。
これにより「A」は、「B」に対して遅行性をもっているということが分かりましたので、この銘柄のペアは類似性でチェックする価値があるということになります。
次に時期は進みますが2004年の4月を見てみましょう。この時期は米国が下落トレンドに転換しましたので、ゴールデンウィーク明けの日本市場も新興市場を中心に大幅調整となった時期です。2つの銘柄はというと、昨年10月に付けた高値に挑戦するかのように順調に上昇を続けましたが、4月後半から米国の情勢を受けてか「B」が4月中旬より軟調に推移するようになります。それにもかかわらず「A」は上昇を続けましたが、5月のゴールデンウィーク直後に急落してしまいました。
このチャートから分かるのは、「B」は「A」に対して先行性をもっていて、「A」は「B」に対して遅行性があるということです。
このように、チャートを使って類似性のある銘柄を探し出し、遅行性を利用して投資することは1つの有効な投資手段であるということがわかります。
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