トップケンミレ流良いチャート・悪いチャート

第1回 『 ケンミレ流 良いチャートの法則 』について

チャートを見た時に瞬時に形の良いチャート(上昇が期待できるチャート)を判断できるようになるためには、基本の練習が必要です。
本書では、形の良いチャートとそれを判断できるようになるための“コツ”を、実際のチャートを使ってお伝えしたいと思います。

チャートが 見えるようになる方法は?

私が投資を始めてから3年くらいの間は、毎週日曜日に5時間使って、チャートブックを1冊読み、自分なりにテーマを作ってそのテーマごとに銘柄を分類し、株価が大きく上昇したときには『その前のチャートの形』をチェックしたり、株価が大きく下落したときには『下落に転じる前のチャートの形』をチェックしたりするなど、色々な方法でチャートを知る時間をたくさん持ちました。このため、「この形のチャートは良い、この形のチャートは悪い」ということを瞬時に判断できるようになりました。

以前にレポートで書いたお話ですが、「日経平均は『二等辺三角形の三角保ち合い』だけれども『小型株指数は左上が直角の強い三角保ち合い』になっている」として、チャートにラインを引いてご説明したことがありますが、この時は多くの方から『どうすれば三角保ち合いを直角三角形と二等辺三角形に分けてみることが出来るのか』というご質問をいただきました。

その答は簡単で、自分なりにチャートにトレンドラインを引いた時、二辺がほぼ同じ距離になった場合が二等辺三角形の三角保ち合い(日経平均など)で、小型株指数などは二辺が同じ距離になっていなかったからです。そこでラインを引き直してみれば、直角三角形で一番収まりが良い形になったので、直角三角形としたわけです。

ただし、これは読者に説明するときにお話したことであって、実際にはそれぞれのチャートに1〜2秒でトレンドラインを引いて見るだけですので、上記のようなことは“考えずに”行ったことになります。このようなことがなぜできるようになるのかと言いますと、それはスポーツ選手と同じて、繰返しチャートを見る練習をしたからだと思います。

どのスポーツでも、一流の選手ほど『基本』の練習を毎日繰り返し、二流以下の選手は『カッコ良いところや、気持ちが良いところだけ』を練習します。
これと同じで、株式投資も『基本』を頭にたたき込み、『考えなくても勝手に判断し、その判断が正しい』というレベルまで到達できれば、株式投資で勝つ確率が非常に高くなります。

最近になって再びゴルフを始めたのですが、仕事が忙しいのでゴルフの練習に行く時間がほとんど持てません。しかし、練習をしなければ上達は望めませんので、私が行ったのが『練習に行くときはアプローチウェッジ』だけを持っていくことでした。
つまり、練習時間が少ないので『短時間で効果的な練習』をする必要がある。若くもないので『打てる玉数も少ない』。この二つのハンデを克服するために私が導きだした結論が『一番飛ばないクラブ』で基本の練習だけをすることでした。

ゴルフをされない方には分かりづらい例えで恐縮ですが、ゴルフで一番飛距離を伸ばせるクラブにドライバーというクラブがあります。このドライバーは、当たれば非常に飛ぶのでこれで練習すると気持ちが良く、どこの練習場でも多くのゴルファーが「気持ちが良いドライバー」で練習しているのをよく見かけます。

この話は株式投資を上達したいと思っている個人投資家の皆様にとっても同じで、『株式投資にそれほどの時間を取れない』のであれば『それなりの工夫』をする必要があり、安定した投資成果を上げるためにチャートを利用するには、チャートを見るための『基本』を身に付けるだけでよいのです。

そもそも 形の良い チャートとは、どういうチャートか?

はじめにこんなことを言ってしまっては元も子もないのですが、“良いチャート”という言葉自体非常に漠然としており、私のいう良いチャートが皆さんの求める答にピッタリくるものかどうかは分かりませんが、私が考える“良いチャート”についてお話いたします。

(1)1〜2年以内に何回も高値と安値があるチャート
急騰している形のチャートや急落している形のチャートは『今後の展開』が良く分かりません。しかし、往来相場(同じ価格帯で上げ下げを繰り返している状態)や、ゆっくりとした上昇・下落相場で『1回の上昇率が安定して高い形』のチャートならば、今後の展開が読みやすいので、リスクが少なく利益を得る確率の高い、良い形のチャートと言えます。

(2)穏やかな上昇相場、穏やかな下落相場になっているチャート
前述しましたように、良い形のチャートとは『今後の展開が予想し易いチャート』です。したがって、狂ったように上昇し続けたり、下落し続けたりする形の場合には予想し難いのですが、穏やかな動きであれば『次の動きが予想しやすい』ので、これも良いチャートになります。

(3)1992年、1995年、1998年のように、株式市場が大きく下落した際に中期的な底値に来ている形のチャート

チャートとは『投資家のよりどころ』です。したがって、過去に似た形のチャートが見つかると、投資家は『今回も同じ形の動き』をするのではないかと考えて行動しますので、過去と同じ環境で同じ形のチャートが見つかったのであれば、それはとてもラッキーなことだと思います。

特に1年、2年、3年ぶりの安値まで下落して横ばいで推移している銘柄が見つかったならば、『その価格帯が非常に強い下値抵抗ライン』となりますので、このような価格レベルでの」購入は将来利益を生み出してくれる確率が高いと言えるでしょう。『上昇に転じられない相場環境』であれば『環境の変化』だけをチェックし、環境が変化した時だけ動けば良いということになります。
なお、ここでいう環境の変化とは株式市場を下落させていた悪材料が消えることと、株式市場を上昇させる新しい好材料が出ることです。

“形の良いチャート”について多くのチャーチストは、

  1. 下髭が長いチャートが出た時
  2. 星のような短い、髭のない陽線が2つ3つ連続して出た時
  3. 大陽線のあとに小さな陽線が出た時
  4. 陰線を大陽線が包んだ形になった時
  5. 1日、1週間の陽線のローソク足が二つの移動平均線を跨いだ形になった時
  6. 十字線が出た時
  7. 二点底を形成した時
  8. 窓を埋めた時

などを挙げておりますが、この考え方は正しいですし、同じ形のチャートが見つかった時には更に詳しくチェックを行い、買うか買わないかを判断しても良いでしょう。

そこでケンミレでは、
これ以外にもさらに『相対的なチャートの形』にこだわり

  1. 過去の安値・高値まで株価が上昇・下落した時
  2. 大きく下落したあとの横ばい相場の形
  3. 往来相場の形
  4. 上昇相場の短期波動の押し目計算
  5. 上昇相場の中期波動の押し目計算
  6. 上昇相場の上昇余力の計算
  7. 一定期間内の変動回数
  8. 抵抗ライン
  9. KMライン
  10. 価格帯別出来高分布
  11. 株価の波動の形
  12. 指標や他の銘柄との類似性や先行性・遅行性の計算
  13. PERによるバリューの変化
  14. 材料と株価の動き
  15. 移動平均線と移動平均乖離率

などもチェックしています。
先に挙げた一般的なチャーチストにとっての良いチャートの形と、ケンミレのいう良いチャートの形の見方には大きな違いがあります。それは、チャーチストのいう良いチャートは“絶対的”な形から投資判断をしており、ケンミレの場合には“相対的”な計算をした結果の形から投資判断をすることです。

似たような相場環境は出現しますが、同じ相場環境は二度とありません。つまり、ある時のチャートの形と今回のチャートの形が似ていても、相場環境は当然違いますので『この形になったら買い(または売り)』と単純に判断してしまうのは、非常に危険なチャートの使い方だといえます。

しかし、どのような相場でも『投資家心理』の面から見れば、『人間は同じような環境で、同じような選択をする』習性があり、この習性は今でも変わりません。なぜなら、この習性の元となっているのは『人間の欲』だからです。

過去に犯した失敗の経験を次の投資に活かすことが出来れば『同じ失敗』をすることはないと思いますが、このように機械的で緻密な投資を長期にわたって行える人はあまりいないと申し上げたことがあります。これは、経験を積んだ投資家さえ時間の経過とともに株式市場から去ってしまっているという事実を直視すれば、結局は『人間の欲』が同じ失敗を引き起こすものであるという考え方からです。ケンミレではこれを“投資家の習性”と言っています。

このようなことから、絶対的基準で判断して投資してもある程度の成果は出せると思いますが、相対的な基準で計算し直せば、成功する確率を格段にアップさせることが可能であるとケンミレでは考えています。相対的なチャートの形による判断とは、ローソク足のチャートに『新しいチャートの判断材料を加えて判断します』ので、一般的なチャート分析の方法とは全く違う方法と言えます。

“ケンミレ”では、本書でご説明するチャート分析がどなたでも簡単かつ効果的に行えるようになっており、ここでは文章のみの解説ではなく、実際にケンミレのチャート機能を使って良いチャート、つまり、今後の展開が予想し易いチャートを見分ける“コツ”を掴んでいただきたいと考えております。

それでは、ケンミレ“こだわり”の15項目をもとに、ケンミレ流良いチャートを見てまいりましょう。