わかる株式用語
VIX指数とは(びっくすしすう)
まずはざっくり
VIX指数とは、1990年1月、シカゴオプション取引所が作った「ボラティリティ・インデックス」の略称です。VIX指数は、S&P500を対象とするオプション取引の値動きをもとに算出されます。
VIX指数の値動きの傾向は、株式相場が下落して投資家の警戒感が高まると数値が上がり、上昇相場では価格が横ばいまたは下落する傾向にあるため、通称:恐怖指数とも呼ばれます。
通常時は10pから20pの間で動いているという説明をよく見かけますが、リーマンショック後の傾向は、14pから24pぐらいで推移しています。
そして、株式市場の大きな下落とともにVIX指数が跳ね上がることがあります。例えば2008年のリーマンショック時には最高で89.53pをつけています。
これだけは覚えよう!
*VIX指数の値動きの特徴
VIX指数は、恐怖指数と呼ばれているように投資家の不安感情を数値化したものです。そのため対象になるS&P500指数が年初来安値となったからといって、必ずしもVIX指数が年初来高値になるとは限りません。
なぜなら、ボラティリティとは値動きの意味を指しているからです。計算の対象となるS&P500指数が過去と同じ価格であっても、急落しているときと、ゆっくり動いているときでは、VIX指数が全く違った数値になることもあります。
また、どこまでも数値が下がるものではなく、いくら株式市場が楽観に支配されて上昇を続けたとしても、ある一定の数値(リーマンショック以降は14p程度)で下げ止まるような傾向があります。
反対にVIX指数は急騰しても高値を長期間維持することはほとんどありません。株価が急落して底値圏のままであっても、下落が止まるか、緩やかになれば、VIX指数は徐々に下落することになります。言い換えますと、投資家心理が落ち着いてきたので、恐怖指数が下がっていくということです。
*VIX指数は取引することが出来ます
米国ではVIX指数先物があって、VIX指数を売買することが出来ます。
日本でもVIX指数を対象としたETFが上場していますので通常の株式投資と同様に売買することが出来ます。
最近では、相場が下落すると数値が上昇するVIX指数の特徴に着目してVIX指数を対象にしたETF(国際のETF VIX短期先物指数)の売買が活発となっています。
【1552:VIX短期先物指数】
▼チャートはコチラ
◆ETFの売買できる時間
9:00-11:30、12:30-15:00
もうひと頑張り!
*日本にもVIX指数と同じような指数があります。
日経ボラティリティインデックス(通称:VI指数)という名称で、この指数を対象とする先物(日経平均VI先物取引)は大阪証券取引所に上場しています。
日経平均ボラティリティインデックスは、まず日経平均のオプション価格から将来のボラティリティ(変動率)を計算して、次にそのボラティリティを元に指数が算出されます。
平成24年2月27日に日経平均VI先物取引が開始され、ネット証券を中心に個人投資家でもVI指数を取引することが出来るようになりました。
大阪証券取引所のHPには、日経平均VI先物取引の利用方法が詳しく解説されています。
《参考資料》
米国VIX指数の過去の主な高値と出来事
1990年 8月 35.91 イラク軍のクウェート侵攻
1997年10月 38.20 アジア通貨危機
2001年 9月 41.76 アメリカ同時多発テロ
2008年 9月 42.16 リーマンブラザーズ破綻
2008年10月 89.53 リーマンショック
2010年 5月 42.15 欧州ソブリン危機
2011年 8月 48.00 欧州ソブリン危機と米国国債格下げ