わかる株式用語
大型株・中型株・小型株とは(おおがたかぶちゅうがたかぶこがたかぶ)
まずはざっくり
東証一部のおよそ1700銘柄を、時価総額の大きさと流動性の高さで東京証券取引所がランキングを作り、3つのグループに分けたものです。
上位100位の銘柄までが大型株、400位までの銘柄が中型株、それ以外が小型株です。規模別の株価指数として投資家に注目されています。
同じ期間の株のチャートを見ても、違う動き方をしているのが分かると思います。
大型株
中型株
小型株
これだけは覚えよう!
今はどんな銘柄が買い時なのか、個別銘柄をひとつひとつ見てもよく分かりませんが、このように何かの基準で作ったグループごとに見てみると、とても分かりやすくなります。
上のチャートのような場合には、小型株は既に上がってしまったけれど、大型株はまだそれほど上がっていないから、これから買っても間に合うかもしれないと考えられます。
初心者は、グループ分けをしないで、株式市場全体が大きく下落して間もなく上昇に変わるという『割安タイミング』で投資をするのが安全ですが、上級者になれば、いろいろなグループ分けをして、そのグループの『割安タイミング』で投資をすることができるようになります。
グループはいろいろな基準で作ることができますが、ポピュラーなグループ化の代表格が、この大型株・中型株・小型株という規模別の分け方です。
主な顔ぶれは、こんな感じです。
大型株(東証一部の時価総額の60%を占めています) | |||
銘柄名 | 業種 | 株価 (2018/8/9終値) | 発行済み株式数 |
---|---|---|---|
大和ハウス | 建設 | 3636円 | 約6億6千万株 |
武田薬品 | 医薬品 | 4741円 | 約7億9千万株 |
日産自動車 | 自動車 | 1045円 | 約 42億株 |
中型株(東証一部の時価総額の30%を占めています) | |||
銘柄名 | 業種 | 株価 (2018/8/9終値) | 発行済み株式数 |
アミューズ | サービス | 3010円 | 約 1千8百万株 |
新京成電鉄 | 陸運業 | 2205円 | 約1千万株 |
三菱総合研究所 | 通信 | 4070円 | 約1千6百万株 |
小型株(東証一部の時価総額の10%弱を占めています) | |||
銘柄名 | 業種 | 株価 (2018/8/9終値) | 発行済み株式数 |
丸山製作所 | 機械 | 1771円 | 約5百万株 |
サイネックス | サービス | 810円 | 約4百万株 |
東京一番フーズ | 小売業 | 659円 | 約8百万株 |
保険会社や銀行などの機関投資家は、巨額の資金を運用します。一度にたくさんの株数を投資しますから、出来高が少なく流動性の低い銘柄だと、売買が成立しません。なので、機関投資家は大型株を中心に投資をします。そして時価総額も大きい大型株は、買っても買っても売り物が出ますし、売っても売っても買い物が出ますから、株価は余り大きく動かないという特徴があります。
逆に、小型株は時価総額が小さく、市場での流動性が低いわけですから、日々の売買代金も少なくなります。つまり、少ない資金でも、買い物が多くなると株価が急騰するという特徴があります。平たく言えば、1回の上昇率が高くなって大きな利益が取れる可能性が高いということです。個人投資家向きですね(^^)v
もうひと頑張り!
小型株が個人投資家に向いているもうひとつの理由
大型株は、『日経225』に採用されている銘柄が入れ替わったり、モルガン・スタンレーが作っていて世界が注目している株価指数『MSCIインデックス』の採用銘柄が入れ替わっても、その影響で突然売り物が出て下落します。また、大型株には国際的に事業を展開している銘柄が多く、海外の景気や為替の変動でも動きます。
さらに、個別の銘柄の事情ではなくても変動します。それは、機関投資家がリスク回避のために色々なデリバティブ取引を行う影響で起こります。個人投資家がよく分からないところで動く性質があるのです。
小型株は、流動性が低いので機関投資家が積極的に買いませんから、『決算対策売り』や『銘柄入れ替えの売り』、『海外要因での下落』ということがあまり起きません。
TOPIX
大型株・中型株・小型株の正式名称は、
TOPIX100 東証規模別株価指数(大型株)
TOPIX Mid400 東証規模別株価指数(中型株)
Small東証規模別株価指数(小型株)
で、グループ分けは東証が定期的に見直しています。