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第3回 中上級者向け【 株式市場は同じ間違いを繰り返す】

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2016/08/16 16:12

中上級者向け【 株式市場は同じ間違いを繰り返す】

日本の株式市場史で最大級の間違いは1986年から1989年までのバブル景気でした。その時には株価は1985年9月の12598円から、1989年12月末には38915円まで急上昇して約三倍。PERは80倍となり、後から見ればどう考えても間違った状況ですが、それでも株価は上昇し続けました。上昇し続けた理由は、それまでの円高不況対策による公共投資の拡大、公定歩合の引き下げなど長期にわたる金融緩和が起こったことで、株式・土地などへの投機が発生、投機が新たな投機を生む状況だったからです。

バブルが崩壊した経緯は「国民が地価の暴騰で通勤圏に住宅が買えないことに怒っている」という特集がテレビで報道され続けたことがきっかけとなり、政治家が慌てて地価と住宅価格の高騰を抑えるように大蔵省に命じたことで始まったとも言われています。

バブルを発生させた張本人である大蔵省が総量規制と日銀の窓口規制をし、それによって銀行は貸し付け資金をストップ、すると次の買い手を失った投機家はパニックになり、慌てて売り、ショック安がさらなる売りを呼んでバブル経済が崩壊。

もう少し市場メカニズムの怖さを知っていれば、政府はこの様な早計な愚挙は行わなかったと思いますし、投資家も壊滅的な打撃を受ける前に逃げられたと思います。

実はこのような間違いが「常に」起こっているのが株式市場の実態です。


企業業績が悪化


決算発表シーズンが終わり、多くの企業の業績予想が出そろいました。2017年3月期は経常減益へと悪化する企業が多くなる見通し。輸出企業の多い自動車などの製造業を中心に業績が低迷し、円高が強く影響しています。

1円円高になると、トヨタ自動車の1年間の営業利益は400億円マイナスになると言われています。日本全体の企業で見ますと輸出企業は決して多くはないのですが、日本の輸出額の9割は東証一部の大企業に集中しているため、日経平均に採用されている225銘柄では、円高により大打撃を受ける企業が多く、そのため、円高=日経平均が下がるという構図になっています。


円高で決算の悪化しているのに、なぜ、株価が下がらないのか


今日の日経平均は下がりましたが。本日の下落要因は、ETFの買いが入らない可能性が高くなったところを狙った投資家の売り仕掛けと円高によって、−273円の16878円となりましたが、まだ現時点では本格的な調整には入っていない状況に見えます。

現在の株式市場をとりまく環境は、円高により1〜3月期と4〜6月期の業績が大幅減益になっている一方で、現在の株価水準は往来相場の上限にありますから、既に割高になっています。

ここまで戻してきた理由は日銀のETF買いやその期待感からです。しかし、日銀がお金を印刷して株を買うという市場対策は本来の株式市場の姿ではありません。景気が良くなって物価が上がって株価も上昇するという株価変動メカニズムが完全に崩壊してしまっています。別の言い方をしますと、目先のお金で株式市場が上昇しているように見えていると言えます。そうなりますと、日銀のETF買いを上回る悪材料が出た時には、700億円のETF買いでは下落は止まりませんので、通常よりも大きく下がる可能性があります。


【結論】
人間は同じ間違いを繰り返すので、株式市場(投資家の総意)もおかしな動きをしますし、政治家も間違えます。

人間に欲がなければ、過去の経験則を教訓に出来るのですが、残念ながら人間には欲がありますので、政治家・企業経営者・国民・投資家等はそれぞれの欲によって、最終的な判断をする時に歴史上で同じ失敗を繰り返してしまいます。

従って、過去の同じ環境で犯した間違いを調べることが出来れば、その知恵があるだけでも、同じ失敗を繰り返さない、つまりリスク回避ができます。

【結論2】
現在の相場環境は、このまま下がれば17000円を上値とした往来相場が継続。この後相場が上昇して18000円まで上昇する展開になったとしても、ローリスク・ハイリターン投資の買いタイミングは、現在の往来相場の下限のまま据え置いても良いと思います。つまり、買いたい水準を引上げる必要はないと思います。