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2017/01/06 12:37

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第5条 頑張りたい社員は辞めてくれ(後編)

そして、1年後の2007年5月に再び爆弾発言をしました。

それは「頑張りたい人はグッドイシューを辞めてほしい」と言ったのです。

企業は頑張りたい人間を集めるためにいろいろな努力をしています。しかし、グッドイシューは頑張りたい人は『いらない』と全員の前で発表しました。

結果は45名いた社員の内、20名が退職しました。

つまり、1年で社員数は60名強から25名前後に激減したわけです。

そして2007年7月に『経営諮問会議』が行われました。

厳しい指摘をする日本IBMの椎名さんと日産自動車の塙さんが『どんな指摘をするのか』、グッドイシューの経営者として『興味』を持っていました。

社員数の推移を説明したあとに、椎名さんが「『普通なら、こんな動きをする会社は崩壊寸前だ。』『しかし、ケンミレは独特の経営をしているし、役員の顔も明るいし、業績は昨年よりは落ち込むが、それでも当初予想した以上の経常利益が得られる』わけだから、グッドイシューは『この方法が合っているんだな』」と言いました。

2006年1月25日からワンエイティー・レボリューション(180度転換して革命を起こそう)をスタートさせ、「頑張りたくない人は辞めてくれ」と表明し、2年目には「頑張りたい人は辞めてくれ」と表明したのですが、3年目は「朝ノートとスケジュール管理と時間管理ができない人は辞めてくれ」と表明し、25名が15名になりました。

さすがに15名では仕事が回りませんので、総勢25名前後まで毎月2回の募集を行うと発表しました。

ただし、朝ノートとスケジュール管理と時間管理が当たり前に行われている会社に新入社員を入れなければ意味がないこと、優秀な社員以外は入社させないことの2つを各部の責任者に言いました。

それが『良い社員が見つかるまで募集を続ける』という意味です。

これで内向けのワンエイティー・レボリューションが終了し、あとは運用の時代に入りましたので、ここから『外向けのワンエイティー・レボリューション』がスタートすることになりますが、その前に残った社員の士気を高めるために社内の衣替えを行いました。

机や壁を一新し、レイアウトも変更しました。環境が人間に与える影響は目に見えないものの非常に大きく、ここまで変えて『内向けワンエイティー・レボリューション』を終了させました。

最後に頑張りたい社員は辞めてくれという意味ですが、これは頑張る社員が残ったのですから頑張るのは当然なのですが、頑張るだけでは勝者にはなれません。

勝者とは『頭と体の両方で頑張ること』です。

したがって、その時に私が言ったことは「頑張りたい社員は辞めてくれ、頭を使いたい社員だけ残ってくれ」という趣旨でした。


・社長が指示しても、決裁しても、間違っていれば、悪いのは社員。
・作ろうと思ったものと作ったものが同じ場合、社員はサボっている。
・上司が指示しても、部下ができなかったときは上司の責任。
・優秀な社員ほど厳しく教育する。
・勝ち組には肉体的エネルギーと知的エネルギーの両方が必要。


2017/01/05 12:33

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第5条 頑張りたい社員は辞めてくれ(中編)

まず行ったことは『信賞必罰の厳しい会社にする』という方向でした。

しかし、社外役員が参加する役員会で発表したところ、日産自動車のカルロス・ゴーンさんの前の社長で、ゴーンさんを名実ともに引っ張った塙さんから「ふぅーん、社員が悪いのか」という感想が出ました。

この言葉で私は赤くなり、悪いのは努力が足りなかった自分だと分かりました。

また、江崎先生から「どうしてベンチャー企業だった“マイクロソフト”が大企業になっても成長し続けているのか知っているか」と聞かれました。
「分かりません」と答えますと、先生は「『常に大きな長期目標、中期目標、短期目標を経営者が社員に明示し、その目標を達成するためにはどうすれば良いかを一人一人が考えている』それがマイクロソフトです」と言いました。

「人数がどれだけ増えても『経営者が経営者の仕事をすれば対応可能であり、人数が増えて業績が悪化したのは、経営者が仕事をしていないからだ』」という話が出ました。

この話は私にとってはショックで『ガーン』という気持ちになりました。

悪いのは社員ではなく、「自分では一生懸命やっていると錯覚して、サボっていた社長が一番悪い」と言われたわけですから。

役員会が終わると、全社ミーティングを行い、社員全員の前で私は謝罪しました。

それから一週間、今後のケンミレの方向性や目標を話し続けました。

そして、1週間後に「私と一緒に頑張りたい人だけ残ってほしい」と言いました。

具体的には『今後3カ月間は土日祝日も全て出勤にする』『退社時間は夜十一時にする』というものでした。

この表明で約3分の1の22人が辞めました。

そして、30名のSEが二年間全く完成できなかったソフトやプログラム23個を、9名のSEで『爆発リリース』と銘打って3カ月で全てリリースしました。

SEが3分の1になったのに生産性は格段にアップしたわけです。

それは私が一人一人の開発工程をチェックし、日々仕事を追跡し続けたためでした。

言い換えると、能力ある社員がいても、上司が仕事をしなければ生産性は落ちるということです。

これが生産性を向上させる方法です。

つまり、経営者も社員も『ともに弛んでいた』ことが生産性を大きく落とした原因でした。


2017/01/04 12:47

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第5条 頑張りたい社員は辞めてくれ(前編)

ビジネスマンには『プライベート優先の生き方をする人』と『ビジネス優先の生き方をする人』がいます。

価値観の問題ですし、人生は楽しむものですから、その人が楽しいと思う方が、その人にとって正しい選択になります。

どちらを選択しても『犠牲』は付き物です。

会社を選択すればプライベートが犠牲になりますし、プライベートを選択すれば会社は中途半端になります。

課長クラスまでならば会社とプライベートの両立は可能ですし、大企業であれば社風によっては部長クラスまで可能な場合もあります。

では、プライベートを犠牲にするとはどういう意味でしょうか?

朝八時から夜十一時、十二時過ぎまで会社で仕事をするとか、土日祝日も出勤するという意味ではありません。
これは会社創業期の会社です。

グッドイシューも最初の3年間は私と副社長は土日祝日はほとんど休まず、正月やゴールデンウィークもほとんど出社していました。

よく笑い話に出るのですが、フッと一息付いて、さぁ昼飯にしようと時計を見たら夕方の6時だったということが度々ありました。

全く休まなかったのですが、2年半は疲れを感じませんでした。

昔は3年でも疲れなかったのですが、グッドイシューは49歳で創業したので、昔のような体力がないとは感じました。

疲れない理由は、将来の大きな目標を明確に設定し、そのための戦術も細かく設定したことで『これが終われば成功する』という気持ちで仕事をこなし、新しい仕事なので『チャレンジすることがたくさんあって、面白かった』からではないかと思います。

つまり、面白い仕事は疲れない、仕方なく行う仕事は疲れるということです。

2004年までのグッドイシューは『事業会社ではなく研究所だ』と言われていました。

それが株式を公開することになり、研究所から事業会社に変わっていきました。

いろいろな方から「グッドイシューが変わった」というご指摘やアドバイスを貰いましたが、結果として上場に値する企業を作るという大義名分に踊らされてしまいました。

社員数も2005年の初めには25名前後でしたが、2006年には60名を超え、役員や顧問を加えると約80数名と大きくなりました。

社員数や、特に役員を増やしたことで『昔からあったケンミレイズム』が消え、社員の目的意識が消えていきました。

2006年4月に、私が副社長と話している時に、副社長から、「グッドイシューは魅力がなくなったので、二人でグッドイシューを辞めて別の会社を作りませんか」と真剣に言われたことがありました。

もちろんそんな無責任なことはできませんでしたが、この話がきっかけとなって、会社が変わり始めました。


2016/12/30 10:26

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第4条 自己満足と成果の違い(後編)

このように仕事が好きで、良いものを作ることに妥協したくないと仕事をする人を、経営者は『個人の自己満足』にすぎないと考えなければなりません。

 しかし、良いものを作りたいという意識は重要です。

となりますと、どこまでが『前向きの評価』で『どこからがわがままな自己満足』になるかです。

 この判断基準が分からなければ、社員の自己満足を防げません。

 防ぐ方法としては、まず最初のサービス要件定義は『最終型の90%前後は到達しているもの』でなければなりません。

つまり、要件定義はできるだけ最良のものを作る必要があります。

そして実際に作業に入ってからのアイデアは時間との相談です。

『これは今回行い、これは次回に延期する』という判断が必要になります。

 この判断を社員一人ひとりができれば優秀な会社ですから、できない社員は上司や役員がサポートすべきです。

なぜならば、10年、20年と経過しますと『比較にならないレベルの違い』が出てくるからです。


 どれだけ頑張って考えても、6カ月もすれば自分の能力アップと社会の機能アップによってどんな商品でもほとんどは陳腐化してしまい、作り直しが必要になります。

つまり、100%がない以上は『100%を求めて、いたずらに時間を使う』のではなく、どこかで妥協できる『能力』、妥協しても経営に大きな影響が出ないレベルの能力が必要になります。

 自分のこだわりによって、商品にプラスアルファが生まれるまで完成を延ばすことと、世の中にない良い商品をできるだけ早く完成させて提供するのとどちらを選ぶべきかと言えば、100%後者を選ぶべきです。

しかし、いざ当事者になると、そしてある程度の自由を与えますと、優秀な社員ほど前者を選ぶ人が圧倒的に多くなります。

 前者はナンセンスであり、最良の方法は『作ってから考える』ことだというのは誰の目にも明らかです。

 ところが、真剣に考えれば考えるほど『真実』が見えなくなります。

世の中は『99%の錯覚と1%の真実』で成り立っているのであり、真実に気が付くのは大変です。

しかし、真実に気が付けば(無欲・自然体になれば)生産性をアップさせられます。


 『米国の有名なバスケットボール選手へのインタビュー』で、記者が「どうしてバスケットをしているのか」と質問したところ、こう答えたそうです。
                
1.【質問】お金儲けのためですか?
  【回答】違います

2.【質問】みんなに夢を与えるためですか?
  【回答】違います

3.【質問】いいプレーをしたいからですか?
  【回答】違います

4.【質問】では、どうしてバスケットをしているのですか?
  【回答】違います

と最後に記者が聞いたところ、

「バスケットをしたいからしている」
と答えたそうです。

 1〜3は欲で行っています。欲が出れば『自分の力を100%出すことはできません』ので、超一流の選手にはなれません。

『バスケットをしたいから』という意味は、自分の練習の力を100%出し切るためには、何も考えず『ただ、バスケットをする』以外にないということです。

彼は超一流だから『そういう答えができた』のではないかと思います。

 つまり、平常心を持って考えれば、良い商品を世の中に出すことが一番重要であるということは誰でも分かるはずです。

コツとしては最初にアイデアを考える時に、全力投球して、自分の能力を出し切ることです。

ただし、このためのエネルギーは『想像を絶するエネルギー』が必要になります。

 このエネルギーを使って、最初に90%以上のレベルのアイデアを考え、あとは『10%のバージョンアップで完成品を作ること』に意識を集中できるスタッフをたくさん抱えている企業が成長企業であり、生産性が高い企業ということになります。

まさに働き一両・考え十両・見切り千両の上の『無欲万両』の境地ですね。


2016/12/29 12:48

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第4条 自己満足と成果の違い(前編)

 自己満足と成果の関係は『生産性向上の極意』かもしれません。

なぜならば、この問題は社長にとっては『より良いものを作りたいという優秀な人間の前向きの欲望=自己満足』との戦いだからです。

前向きに仕事をしたい人ほど『よいものを作りたい、よい仕事をしたいという罠に陥ってしまう』傾向があるからです。
つまり、優秀な社員の自己満足は経営者にとっては生産性向上の最大の敵になります。

 グッドイシューには『三年前に開発をスタート』した商品がありました。(執筆当時)

完成期間は半年でしたが、3年経っても完成していませんでした。
サービス要件定義が終わり、システム要件定義が終わっていますので、本来は二年前に完成していなければならない商品でした。

なぜ、完成できないのかと言いますと、それは開発者が『少しでも良いものを作りたい』と考えた結果です。

作っている間にもっと良い方法を発見しては手直しするということを繰り返している間に三年が経過してしまったのです。そのチェックを怠った私が悪いので、その社員を責めることはしませんでしたが。


 新商品の開発は、どんなに追求していっても、半年もすれば陳腐化するものです。

半年しても陳腐化しないとすれば、作ったあとに会社も担当者も努力しなかったので、会社のレベルが上がらなかったために進化しなかっただけです。

人間は進化し続けますから、仕事の効率化の開発もノウハウ開発もどこかで区切って結論を出す必要があります。

つまり、どんなに素晴らしいものを作ったとしても、レベルがアップすれば、もっと良いものが作れますので、その時点でのベターで妥協することが、一番生産性が高い仕事になります。

 陳腐化は必ず起こります。

ですから『作ったあとに修正が起こる』『もっと良いアイデアが出て新商品を開発する』かのいずれかが次に起こります。

つまり、経営の効率化や新商品の開発は『終わってからが勝負』ということになります。

したがって、社員がいくらこだわりを持ったとしても経営的には『大勢に影響ない』レベルのこだわりでしかありません。

この優秀な社員の自己満足をどう防ぐかが社長にとって重要になります。

社員の仕事が大きく遅れたときには、その社員が『こだわりを持って自己満足を優先したか、甘い考えで仕事をしていた社員』であると考えるべきです。


2016/12/28 14:20

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第3条 上司が指示しても、部下ができなかったときは上司の責任(後編)

指示しても部下ができなかったときは上司の責任という意味は、第一に指示を部下が理解しているかどうかの確認を怠った責任、第二に部下が処理できる範囲の仕事であったかどうかを判断しなかった責任です。

特に重要なのは『部下が指示内容を理解できるまで指示したかどうか』です。

部下がまじめに仕事をしているのに、それでも仕事ができないときの最大の理由は『部下が上司の指示を誤解していた』か『はっきりと理解できなかった』か『上司の圧力が強くて、分かるまで質問できなかった』か『部下の能力がその仕事に合わ

なかった』かです。

 部下がきちんと指示内容を理解したかどうかを言葉と目で確認して初めて、上司の責任を果たしたことになります。

言い換えますと、面倒臭いのですが、指示内容を部下に言わせて、部下が理解しているかどうかの確認まで行ったときに上司の責任を果たしたということになります。


 部下が指示内容を理解できなかったとき、しかも簡単に分かるはずのことが理解できなかったとき、上司は部下に『憤り』を感じます。

しかし、この怒りは間違っています。なぜならば、上司は部下よりも優秀だから上司なのであり、できないから部下なのです。

上司の指示が全部分かれば部下ではなく同僚か上司になっています。

さらに、上司の憤りは部下を萎縮させて、労働生産性を落とします。

つまり上司は『仕事ができなかったこと』『部下の労働意欲を後退させたこと』という二重の間違いを犯すことになります。

このような勘違い上司がたくさんいますし、このたくさんいるからこそ『勘違いをしない上司』を育てれば、他社より優位に立てます。

社長の仕事は勘違い上司を優秀な上司にすることも含まれます。


 上司が部下に対して我慢しなくても良くなったときは、その部下の昇格の時期となります。

このときは間を置かずに『部下の評価を修正』しなければなりません。定期昇給や定期昇格という制度にこだわらず、『部下が変わったら待遇を変える』ことが社員のモチベーションアップにつながります。

 『仕事ができない人間を憎む習性』や、仕事ができないのは『努力が足りないからだ』と考える習性があります。

スポーツが得意な人、勉強することや努力することが好きな人、頭がもともとよい人、スタイルや顔がよい人、人に好かれる人、面白い人、手先が器用な人など、人それぞれ得意なものが異なります。

自分が得意な分野について、他人ができないと『簡単にできるはず』とか『できないのがおかしい』と考えがちです。

 大切なのは、その人に目標と生き甲斐を与えて、その人が持っている潜在能力をできるだけ引き出す努力を『上司がし続ける』ことです。

グッドイシューでは給料の高い人には、「給料が高い分だけ『給料の安い人よりも我慢しなければならない』」と言い続けていますが、この言葉は前述の考え方を根拠にしています。


2016/12/27 15:59

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第3条 上司が指示しても、部下ができなかったときは上司の責任

 部下が失敗したときの駄目上司の口癖は「部下にきちんと言ったんですけど、申し訳ありません」です。

これが免罪符となって『上司の責任が軽くなる』風潮がありますが、この言葉を会社が認めるということは『その会社は適当に仕事をしてもよい』という御墨付きを上司に与えることと同じです。

 一般的な上司の仕事は『部下に指示をする』ことと『部下の失敗に文句を言うこと』の2つです。

上司と部下の違いは『能力差』です。

優秀な上司の能力を大勢の部下に与えて、仕事の生産性を上げるのが上司の仕事です。

つまり、優秀な上司の能力を自分一人のためだけに使うのではなく、部下に行わせることで、効率を上げるのです。

ですから、優秀な上司がいる会社ほど他社と差を付けることができます。


 上司の仕事は、部下の能力ではできない仕事を、上司の能力を使って部下の頭と体で行わせることです。

ということは、部下が完全にできると思うまで指示をして初めて上司の仕事をしたことになります。

したがって、部下に「言っているんですけど」という言い訳は無意味です。この無理な言い訳を通すのは、待遇通りの仕事をしなくてもよいと上司に言っているのと同じですから、生産性は落ちますし、コストパフォーマンスでも同業他社に負ける

ことになります。

部下が理解できない段階で見切り発車をして部下に仕事をさせたから部下が失敗しただけのことなので、悪いのは指示を徹底しなかった上司ということになります。


 部下に緊張感を持たせて持っている能力を最大限に発揮できる物理的、精神的環境を作ることも社長の責任です。

つまり、会社の業績が悪い、会社の生産性が悪い、会社のコストパフォーマンスが悪いのは、最終的には社長が悪いということになります。

 特に重要なのは『精神的環境作り』です。

この大原則は『給料と権限が大きい分だけ、部下よりも責任が重いのが上司、一番責任が重いのは給料が一番高い社長』です。ここでいう責任とは我慢する心です。

 上司が気持ちよく話しているとき、『部下はストレスを感じて聞いている』のであり、上司が『忍耐強く話す』と『部下は気持ち良く聞ける』のです。

気持ち良ければ労働意欲が高まり、ストレスが溜まれば労働意欲は減退します。つまり、上司のマネージメント能力とは『いかに自我を抑えて、部下の労働意欲を高めるか』と言い換えてもよいでしょう。


2016/12/26 13:09

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第2条 作ろうと思ったものと作ったものが同じ場合、社員はサボっている

 何かを作るとき、まずは『サービス要件定義』を作り、システム開発が必要なければ実行するだけです。

ここで重要なのは想像で作ったものと、具体的に動き始めて色々なことが分かってきた段階で作るものでは違って当然だということです。

最初は想像で作りますから、最初と最後が同じでは会社としては困ります。

 何かを考えたり、作ったりすれば、その間に『気が付くこと』が出てくるはずです。

出てくれば最初の想定とは違った形に進化するはずです。

進化していないとしたら、それは『何も考えずに、ロボットのように作業をしているだけ』だからです。

つまり、仕事をしていれば『見つかったはず』の新しいことを見つけられないということは、その分だけ会社は『何かを得るチャンスを失った』ことになりますし、競合会社があれば内容でその会社に負ける可能性が高くなります。

したがって、何も変わらない社員は、会社の利益を遺失しているだけでなく、市場競争に負ける会社にもしています。

社員が条件反射で頭を使うようにする訓練をすることも社長の仕事です。


 途中で『素晴らしい改善点』が見つかったときに、『そのアイデアは非常によいが、ここまで作ったのだから、次の改善の時に行い、いまはこのまま進めよう』と考えがちです。

しかし、『直す必要があるもの』『改善することが決まっているもの』をどうして先送りして、レベルの劣ったもので勝負するのか理解できません。

『サラリーマン根性』があるから我慢できるのではないかと思います。

ただ社員はサラリーマンですから仕方ありませんが、社長はサラリーマンではありません。したがって、社長が社員に同意していては会社の将来は暗いものになります。


 上司や社長の決裁が取れればOKという大会社では、社員が決裁を取るためだけに仕事をするようになります。

こうなると、『よい商品・サービス』ではなく、ごまかしやウソ、うっかりや不注意でも何でも、上司の決裁を取れば勝ちです。

上司が決裁すれば『全てOKで、責任は上司にある』という企業の常識が、この生産性が悪い方法を取らせています。

経営は妥協の産物だとしても、この妥協の仕方によって経営体質は別物になります。つまり、頭を使った上での妥協なのか、頭を使わない妥協なのかということです。

 上司はたくさんの仕事を抱えていますし、一番仕事の内容を知っているのは担当者です。

担当者が、仕事の内容を上司にはっきりとイメージできるように説明して、その上で上司や社長が決裁したのであれば、責任は上司や社長にあります。

しかし、期日があるときなどは、仕事を先に進めたいがために『都合の悪いことを報告しない』で先に進めようとします。

 つまり、上司や社長の決裁を通すための戦術を組んで決裁を取ったとすれば、上司がその人の作業をすべて知ることは不可能に近いと言えます。

つまり、上司や社長が正確な判断を下さなければならないシステムは非常にリスクが高いのです。

 『目先がよければOK』と考えて仕事をしている人はたくさんいますが、目先OKは実はOKではないのです。

あとになって問題が起これば、当初よりも深刻になっています。

失敗からは逃げられないので、失敗を早く報告して、対処時に自分の能力を発揮した方が実践的です。

時間が経過すれば『必ずバレる』のですから、ベストの選択は最初から上司に報告することです。

報告すれば『責任は上司と分担』することになり、三人寄れば文殊の知恵で検討しあう相手がいれば事態は好転しても後退することはないのです。

自分を守りたいならば悪いことはできるだけ早く上司に報告するのがサラリーマンのベストの選択です。

チェックが厳しいので『どうせバレるから、すぐに報告しよう』という社風を社長が作れれば会社の労働生産性がアップします。


2016/12/22 12:35

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第1条 社長が指示して失敗したら担当者の責任(後篇)

私は上司に恵まれた非常にラッキーな人生を送っています。

最初に私を変えたのは、最初に勤めた会社の経理部長でした。

彼は私に次のように言いました。「森田君は仕事が早いけれど、仕事の仕方は『上司の指示どおりだね』」。

そして、「本当の仕事は、上司に指示された内容が『本当に会社にとってベストなのか』をまず検討し、ベストでなければ新しい提案をすべきだ』」とも言われました。

「社長はつねに『この選択が正しかったのか』と悩んでいる。だから自分以外に冷静に会社の将来を考えてくれる人がいれば、その人は『それだけでも会社にとって大きな存在価値がある』。

仕事の仕方を『指示通りにする』方法から、『ベストを探して提案する』に変えたらどうだ、上司が間違った指示を出せば森田くんも間違ったことを行い、正しい指示を出せば正しい仕事をするのでは部品になってしまう。どこにも森田個人は存在しないよ」と言われました。

このアドバイスは私の人生を180度変えてくれました。それからの私の思考回路と行動パターンは『社長と同じ』でしたから、サラリーマン一年生から社長業をしていたことになります。


 私が33歳で初めて社長になって以来、一番の心配事は『間違った指示を出していないかどうか』です。

それで私は新入社員に「『私の指示通りに仕事をする人の評価は低く、私の間違いを見つけた人の評価が高い』のが『グッディー流』ですよ」と言います。

 気が付かないことを提案してもらいますと、私の能力にその人の能力が加わって会社全体の能力がアップできます。

しかし、私の指示通りに仕事をする社員ばかりであれば、『改革・進化・改善・革命』は私からしか出ないので、懐の浅い会社になってしまいます。社長をギャフンと言わせようと思う社員が多くなれば多くなるほど、会社の能力はアップします。


 仕事の内容は、実際に行った人が一番よくわかっています。

なぜなら、仕事をしている間中、その仕事について考えますので、その仕事に対しては一番詳しくなるからです。

だから、最初に上司から指示されたことが一番よいのか、別にもっとよい方法があるかを考えることができます。

 したがって、担当者が仕事を続行するのは『上司の指示が正しかった』場合だけであり、上司の指示が違っていたら『違っている』という報告と、どうすれば良いという提案をするのが担当者の本当の仕事になります。

 社長の指示通りに行って失敗したら社員の責任という社風を作る重要性がお分かりいただけたと思います。

ただし、これは社内だけで通用するルールです。

対外的には『すべての責任は社長と取締役』にあります。

失敗が社外に出たときは修正不可能なので、生産性向上の対策外です。

しかし、仕事の仕方で『人材を育てる』という観点では、言い換えますと、社員の知的生産性の向上という目的、社長の経営マネージメントという点では、『社長が指示しても、決裁しても、結果が間違っていれば、悪いのは社員』という考え方を

徹底することはよいことだと思います。


2016/12/21 12:35

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第1条 社長が指示して失敗したら担当者の責任(前篇)

 人は責任という言葉ですべてを片付けたがります。

失敗したときに「自分の責任です」と言う人がいます。
これは責任を認めればOKと勘違いしている人です。

しかし、その言葉を聞いた上司は、「だから何なんだよ」という気持ちになります。

もちろん、自分の非を認めない人は論外です。

ただ、責任を認めるだけでよいという勘違いは会社にダメージを与えるだけです。

そして、そういう人のほとんどは責任を取りません。

非は非であり認めたからといって免罪符になるわけではありません。

それなのに、勝手に免罪符になると思っている勘違い人間が日本には多く見受けられます。


 上司の指示と決裁は絶対というルールで企業は成り立っていますが、これが間違いの理由は、第一に『だれでもミスする』という現実があるからです。

上司が間違った指示をしたときに、上司の指示は絶対というルールがあれば、部下は間違ったまま仕事をします。

そして、結果が出た時に上司が自分の間違いに気が付けば、一から作り直すことになります。

つまり無駄な時間が生まれ、他社にスピードで負けてしまうのです。

 一番詳しいのは、実際に考えながら作業をしている担当者であり、しかも最初に予想できないこともたくさんありますので、最終責任は担当者にあります。

どんな責任かと言いますと、何かが分かったときに上司に報告する責任です。


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